住宅の気密性能C値の重要性(サンプルコラム)
サンプル記事内容
住宅性能を示す指標の一つである「C値」を説明している記事です。BtoCのサンプル記事になります。
記事本文

住宅の気密性能を示す指標としてC値があります。「C値」は住宅の隙間の広さを示す指標で、低いほど気密性が高まります。日本では省エネ法に基づく基準が以前はあったが、2009年の改正で廃止され、代わりに高気密性が重視されるようになりました。国際的な基準では、他国がより厳しい基準を採用しています。この記事ではC値についてわかりやすく説明しています。マイホーム建築の参考にしてください。
気密性能「C値」とは
住宅の気密性能を示す指標として、「C値」があります。この用語は一般的ではないかもしれませんが、住宅の性能を評価するために知っておくべき言葉です。
C値は、住宅全体の隙間の広さを示す数値で、隙間相当面積とも呼ばれます。具体的には、住宅内のすべての隙間の合計面積(㎠)を建物の床面積(㎡)で割ったものです(㎠/㎡)。隙間が少ないほど、空気の出入りが制限され、C値の数値が低いほど、気密性が高いことを示します。
以前は、日本では省エネ法に基づき、地域ごとにC値の基準値が設定されていました。しかし、2009年の省エネ法改正により、C値の基準値が廃止され、代わりに高気密性を定義する基準として使用されています。
国際的には、他の国々でもC値の基準が設定されており、例えばカナダでは0.9㎠/㎡、スウェーデンでは0.6〜0.7㎠/㎡以下の厳しい基準が採用されています。日本の基準は、省エネ法改正前では北海道と一部の東北地域で2.0㎠/㎡、他の地域では5.0㎠/㎡が基準であったため、国際的に比べて寛容なものでした。
気密性能のC値はどのくらいが良いのでしょうか
大手住宅メーカーの従来の木造住宅は通常、C値が約2.0から2.6㎠/㎡で、鉄骨系は3.0㎠/㎡以上とされています。ただし、ほとんどの大手メーカーの住宅には床断熱が施工されています。一方、気密性に優れた工務店では、基準内断熱を行いつつC値を1.0㎠/㎡以下に抑えることが可能です。
C値の必要性については、大手メーカーが採用している第3種換気方式(自然給気・機械排気)を考えると、C値が1.0㎠/㎡の場合、約50%の空気が自然給気口から入り、残りは隙間からの空気です。この状況下で換気にはムラが生じます。1階部分は比較的換気が可能ですが、2階では隙間が増えると1階からの給気割合が高まり、自然給気口からの空気が少なくなり、結果的に過剰排気が発生します。
このムラを減らし、新鮮な空気を確保するためには、気密性を高めつつ、各部屋に排気用の吸い込み口を設けたダクト式第3種換気システムが有効です。
そのため、第3種換気システムを導入する場合、最低でもC値を1.0㎠/㎡未満に保つ必要があります。排気ダクト式第3種換気システムを採用する場合には、C値は1.5㎠/㎡程度が必要です。また、木造住宅は乾燥や経年劣化、地震の影響で隙間が広がることを考慮し、0.5㎠/㎡程度が最適と言えます。
工務店の性能を評価する際には、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」が有益です。この表彰制度は、建物構造と設備を総合的に評価し、省エネルギーやCO2削減に貢献する優れた住宅を公平かつ中立に評価します。
キーワード
「C値」や「気密性能」、「省エネ法改正」、「ダクト式第3種換気システム」、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」
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